そのミス「イップス」かもしれません【テニスイップス克服】

スキルUP

今回のテーマは「イップス」です。

テニスは、ゴルフや野球と同様にイップスになりやすいスポーツと言われています。

まず、あなたはイップスのことをご存知ですか?

イップスとは、精神的な原因などによりスポーツの動作に支障をきたし、
突然自分の思い通りのプレー(動き)や意識ができなくなる症状のことです。

私自身も高校2年生で発症し、そこから数年間は、
大事な場面になればなるほどイップスの症状が出る状態でした。
大学生になる頃には、自分の中である程度対処法を見つけることができ、
落ち着いてプレーできるようになりました。

この記事を通して、過去の私と同じようにイップスに苦しんでいる方のお役に立てれば嬉しいです。

それでは解説していきます。

フォアハンドが全く打てない!

私がイップスになったのは、高校2年生の春。

今でもはっきりと覚えていますが、
ベスト8をかけた試合の5-5の大切な場面で発症。

私の場合は、フォアハンドがネットに届かなくなり、
ラケット面がどこに向いているのかも分からなくなって、
そのまま敗退しました。

「勝ったら関西Jrに出場できる!」「失敗できない!」
という気持ちから、身体が硬直したのだと思います。

当時はイップスのことを知らなかったので、
自分のメンタルの弱さを責めたし、相当落ち込みました。

今思うと、単純に技術や筋力も足りていなかったのですが、
それ以上に自分の思い通りに身体を動かす技術が足りてないまま、
反復練習でそれまでなんとかなってしまっていたこと
が原因だったと思います。

その後の数ヶ月は、今まで打てていたフォアハンドが
ラリー練習でさえ打てなくなりました。
それも、うまくボールが打てないというレベルではなく、
腕が震えてボールが下に向かって飛んでしまう状態です。

とにかく技術不足だと思い、ラケットを変えたり、
自分なりに技術改善に取り組みましたが、全く効果が出ませんでした。

完全に悪いイメージがついてしまって、
技術改善でイップスから抜け出すのは
手遅れの状態だったんでしょうね。

次のインターハイ予選も夏のジュニアの試合も、
試合でうまく打てなかったトラウマがフラッシュバックして、
イップスの症状がさらに強化されてしまいました。

イップスを克服したきっかけ

糸口が見えないまま3ヶ月以上が経っていた時に、
父がたまたま見ていた、全仏オープン準決勝の
クエルテンVSフェレーロの試合で、
イップスを克服するヒントがありました。

技術改善で治らないと気づき始めていた私は、
凄く感動したその試合をイメージして、
徹底的にクエルテンの真似をしてみることにしました。

すると、ミスはするもののネットに届かないレベルのショットはなくなり、
「あれ?前より打てるぞ!」と驚いたことを今でも覚えています。

ただ、うまく打つには条件があって、
「声」を出して打たないとしっかりボールが飛ばないのです。

そこでヒントを得た私は、呼吸や声でタイミングを取る練習を開始します。

打ち方を意識しないことで、少しずつフォアハンドは良くなっていきました。

試行錯誤した結果、夏の合宿が終わる頃には
声でタイミングを取る
・足でリズムを刻んで身体が固まらないようにする
・コートに入れようと頑張らない
この条件をクリアすれば「打てる!」と、
根拠のない自信を持てるようになっていました。

このように「声を出せば打てる」という成功体験から
少しずつ自信を取り戻し、試合中にフォアが打てない状況になっても
落ち着いて対処できるようになったのです。

コーチになった今思うこと

指導者になってからもイップスに近い症状の方は何人も見てきました。

自分のイメージ通りに身体を動かせる天才ではなく、
能力やセンスを反復練習で補ってきたタイプの方が、
監督やコーチの指導に順応できずにイップスになることが特に多い印象です。

皆さん「失敗できない」と過度のプレッシャーを感じて、
イップスの症状が出ているのだと思います。

指導者は「失敗=してはいけないこと」ではなく
「失敗=貴重な学び」ということを
あらかじめプレーヤーに伝えるべきだと思います。

イップスの方を見てみると、
ほとんどの場合はストロークとサーブに現れ、
その中でも、フォアハンドとサーブのトスが多い印象です。
(コーチの球出しイップスも見たことがあります・・・)

私は、選手として10年、コーチとして10年テニスをやっていますが、
ボレーがイップスになっている人は一人も見たことがありません。

あくまで私の中の仮説なのですが、
「相手が打ったボールに対応するショット」よりも、
「自分からタイミングを決めて自発的に動いて打つショット」に
イップスが起こりやすいのでは?と考えています。

イップスにならないためには
・テニスという競技で失敗は当たり前
・失敗できない状況で失敗したとしても、メンタルの問題ではない
・ミスはそれまでの準備不足と割り切る
こういった考え方が大切だと思います。

もちろん人体の動きを学んだり、
フィジカルを鍛えることも効果的です。

イップスになってしまった場合は、
・声や呼吸でタイミングを合わせる
・足でリズムを取って身体が固まらないようにする
・打ち方を意識しない
・入れようと考えすぎない
・できることから少しずつトライして自信をつける

このように、一定のリズムに身体を委ねて、
自然な行為が引き出せるように工夫すると
皆さん改善が見られました。

私が指導してきた方だけなので、少ない試行回数ではありますが、
ぜひ試してみてください。

まとめ

「手が震えて打てない」状態になったら、
まず原因の把握と対策を考えましょう。

一番タブーなのは
「どうしよう、どうしよう・・・」とただ焦らないことです。

精神的なトラウマが原因の場合は、
技術改善にこだわると悪化しかねませんので注意が必要です。

無意識にできるようになっていた動きができなくなるのはとても辛いですが、
ネガティブな感情を再構築することが克服の近道だと私は思っています。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

 

 

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みや

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テニス歴20年(選手10年、コーチ10年)の管理人が、上達に役立つ情報やテニスギアに関する知識を発信しているブログです。主な指導実績は、インターハイ・全日本ベテランなど、自身も国体・インカレ・日本リーグに出場経験があります。

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